学校における緊急介入の概要

 1.事件・事故についての説明や告知
  通常事故・事件については、学校では学校長や担任から児童や保護者に対し説明がある場合がほとんどである。また、保護者や関係者から児童へ知らされることもある。
 
 2.学校への専門家の派遣
  学校や自治体の方針により、介入までの手順や内容は異なるが、精神科医臨床心理士などからなるチームで対応することが多い。

 3.集団・個別の支援
  学校内で児童に対しては、基本的にはクラスまたは学年単位で、担任の教師あるいは学年の担当教師が対応する。クラスでHRなどを利用し話し合いを行う、文章を書く、(低学年の場合などで)絵やその他の芸術的な方法で表現する、などいくつかの方法がある。いずれも長所短所をふまえ、児童の負担にならないように配慮する。

  専門家チームは、集団への支援について主に担当教師のサポーターの役割を負う。特に個別の対応が必要な場合も、担任やその他の学校スタッフとの連携のもとで行う。専門家チームは、特に事件・事故の影響について、アセスメントを行い、その結果に基づき、学校スタッフへの個別のサポートやメモリアル(記念の式典)などの学校のその後の対応についての相談に応じる。

 4.メディア対策
  出来事そのものに加え、児童、保護者、学校スタッフへの影響を考慮したメディアへの対応を検討する。

 5.フォローアップ
  担当教師および専門家チームは、その後の経過について定期的にアセスメントとフォローアップを行う。(最低でも6ヶ月〜1年は必要)


 引用文献:A.R. Roberts; Crisis Intervention Handbook:Asessment, Treatment, And Research (2nd ed.). Oxford University Press, 2000